栄養学って聞くとどんなイメージだろう?1日にこの栄養をどれだけ食べなければいけないとか1日30品目食べましょうとかそんな感じ?私もそんなイメージだったし、栄養学そのものは鍼灸学校の頃にも勉強して薬膳やアーユルヴェーダとかの伝統療法なんかも学んでいたから最低限の栄養学の知識はあるつもり、だったけど実際は全然違ってた。
分子栄養学って?
分子栄養学、という何やら仰々しい名前。他にも分子整合栄養医学、栄養療法、オーソモレキュラーなんて名前で日本では知られてる。ものすごく噛み砕いていえば、栄養で心身の症状を改善することを目的とする医学。栄養のある食事は健康に良い、病気の予防になるのは誰でも知っているけど、何かの病気や症状が栄養で治ることはまだまだ知られていないし、その根本原因が栄養不足であることも知られていない。だって私は知りませんでした。。たんぱく質や鉄不足でうつ病になるとか。。
分子栄養学を学びはじめてすごく驚き嬉しくも思ったのが、ものすごく人間臭い医学だ、ということ。人により体も性格も違うし体内の代謝能力も違う。生活環境によって栄養の消耗度合いも変わってくるわけだから人により必要量も違って当然。血液データや毛髪検査、尿検査や便検査、時には遺伝子検査の膨大な情報の中からその個を探っていく。だからデータの読み手によって全然解釈や対処法が違ってくる。
こういう相性みたいなものって鍼灸とかの手技療法も同じだし、ヨガも同じ。結局人なんだなって思うと何か嬉しかった。人をみる、こんな風に考えてくれる医師がどんどん増えて欲しい。読み手の感覚、俯瞰力次第。みんなヨガやればいいのに。経験豊かな読み手の人はそのデータから単なる栄養状態だけでなく、性格や姿勢、癖とかまでわかるとか。どんなに科学的でも結局は人次第。数字やグラフが並んだデータから「個」を探る。面白い。
ミトコンドリア、元気ですか?
私たちは食べなくては生きられない。食べたものを代謝してエネルギーに変えてエンジンを回して動かして不要なものは出す、の繰り返し。そのエネルギーって何?といえばATP(アデノシン三リン酸)というもの。それを作り出してくれるミトコンドリアは細胞の中にいる。
ミトコンドリアが元気いっぱい効率よくATPを作ってくれれば私たちはエネルギーに満たされた元気な日々を送れるわけです。ミトコンドリアは太古の昔に我らの体に寄生したものだというけど、いわば寄生虫が人間の生命維持のためのこんな大事な役割と担っているとか不思議。
ところでミトコンドリアが緑色って思っている人、いません?こんな感じの絵も多いし。
でもミトコンドリアがたくさんいる肝臓は赤褐色。緑じゃないんです。ミトコンドリアは知れば知るほど神秘。興味のある方はこんな本もおすすめ。
ミトコンドリアから元気になる食と生活っていうのが最近の私のテーマ。そう、生活次第でミトコンドリア元気がなくなってしまう。ミトコンドリアの機能が落ちれば代謝も落ちてエネルギーが回らない。最近の自分のデータを見るに、前よりは良いけどもまだまだだなあって感じ。過去の食生活を考えると、改善には何年もかかって当然かな。
今のほうがいい
ほぼ菜食だった私の心身がどうなったのか。それはまた次回にでも。
やめたってことは肉を食べているだけなんでしょ?っていうと、そう簡単にもいかず。お肉をちゃんと食べられるようになるまで1年位かかった私。食べ方に工夫がいる。これだけ食べればいい、これさえ食べなければいい考えは引き算の食事は卒業しました。カロリー的には産前より何倍も摂る食事でも体重は変わらないしカラダの感覚もいい感じ。カロリーで考える健康食は古いよね。
何をどうやって食べればいいのよ?
菜食だろうと肉食だろうと、どんな食事法でも間違ったものなんてないと思う。今の自分の体に合ってるのか。正しく行っているか。それに尽きる。
日本にいる私たちの周りには食べ物にあふれていて、自分が口に入れている物の正体をあまりに知らない。自分が手に取り口に入れるもの、口に入れる方法について知ってみて、ミトコンドリアが元気いっぱいになってくれるように意識してみると、それはすごくヨガっぽい生活になる。
それじゃあ何を食べているの?
どうやって食べればいいの?
どうやって自分に合う食事を見つけるの?
菜食とか肉食とか何が良くて何が悪いの?
そんなお話、ミクロでマクロなお話を、海のみえる街からお届けしていこうと思います。
(つづく)

鍼灸マッサージ・整体師
介護支援専門員
機能訓練指導員
臨床分子栄養医学研究会 認定カウンセラー
TOKYOYOGA指導者養成コース・プログラム担当
TOKYOYOGA指導者養成コース・解剖学講師担当
身体に触れる仕事を20年近く行い、2004年よりヨガを指導。
TOKYOYOGA「YogaBodyトレーニングコース」を開発・指導し、ヨガ指導者養成を行う。
神戸で子育てをしながら身体に関しての探求に情熱を注ぐ、カラダオタク。
「ヨガ手帳」にてポーズ監修・季節の過ごし方を担当。