ドバイのスークって知っていますか? 有名なディズニー映画、「アラジン」ではアラジンが住処にし、商人からこっそりパンを盗んでいた所。 映画「SEX AND THE CITY2」でもワンシーンとして登場していた所。 そうそこはTHEアラビアンナイトの世界。 今回はそんなアラブを感じれる場所での話をしましょう。 スーク(Souq)。アラブの国での商業の場、市場を古くからそう呼ぶそうです。 スパイスやゴールド、パシュミナやランプなど、ドバイのお土産になりそうなものもたくさんあるので観光雑誌やWebサイトでは必ず紹介されています。 一般的なお店で買うよりも同じものが安く買えるので、 観光客だけでなくとも、ドバイに住んでいる人も普通に訪れる場所です。 で、ここで一番気合を入れなくてはいけないのが“値段交渉”。 値段はあってないような物で、最初は価格の2〜3倍の値段が提示されてきます。 ここから交渉をして値段を決めていくのです。 ですが、ここで、ぼられた!なんて考え方をするのはナンセンス。 おしゃべり好きなアラブ人は、「値段とは交渉で決めていくものだ」と考えているからです。 とはいえ。 初めてドバイのスークを訪れた時は驚きました。 そこに一歩足を踏み入れた瞬間「ニイハオ」「アニョハセヨ」「コンニチハ」という手当たり次第の言葉のシャワーをと共に熱烈な客引きを受けます。 もちろん、買い物に来ているので、目当てのものがあるのですが、 その雰囲気に圧倒されて腰は引け気味。 客引きの無かったお店にやっと足を踏み入れ、(当然値札は付いていない)スパイスの値段を聞くところから買い物はスタートします。 ここの店主はイラン人。 仕事でイランを度々訪れていた主人は共通の話題を見つけて会話が盛り上がります。 彼らは主人を「ブラザー!」と呼び、盛り上がっている話題がある故、店に並んでいるナッツを次々と食べさせてくれながら、手厚い歓迎を受けます。 で、いよいよお会計!というとき、 「普段は〇〇円だけど、◯◯円にするよ!」 なんて言いながら少しは安い値段が出てきました。 で、ここで出てきた日本人精神。 「ここまで盛り上がって、手厚く歓迎を受けてこれ以上交渉できないな・・・」と。 結局場の空気を壊さず、良い顔をして出てきた後、目に入ったお店で同様のスパイスの値段を聞くと・・・ 私たちが買った値段の1/4以下!!!! それに気づいてしまった後の悔しさといったらありません。(笑) 楽しい会話とショッピングタイムを過ごせた。 目の前の事実は、1/4の値段のものを見る前と後では変わらないはずなのに、一気に変わってしまった私の頭の中。 そうは言ってもスパイスなので、大きな値段の差ではないのですが、 悔しくてぐずぐず不平を言ってしまった私に主人は言いました。 「楽しかったからいいじゃないか。これから買う時の勉強にもなったしね」 そうでした。 「お金」というわかりやすく価値を測る便利な道具を前についつい私の心はかき乱されてしまいました。 それを楽しむか、不満を言い続けるのか。 それを決めるのも私自身。 そんなわかりやすい価値観に判断されないフラットな自分でいる為の練習を日々していたはずなのに。 今日初めて会った相手でも「ブラザー!(兄弟よ!)」と親しみを込めて呼びながら距離を縮めるアラブ人のコミュニケーション方法は行間や空気を読む「奥ゆかしさ」文化の我々日本人とは対極。 When in Rome, do as the Romans do. 郷に入れば郷に従え。 ここはローマでは無いけれど、古くからここに住んでいた人達に敬意をもって、アラブの風習や慣習に合わせていくことはとても大切なこと。 それでも、30年間日本で育ってきた私にとって、すんなり受け入れるのが難しいことだってあるもの。 ですが、そんな時にどんな自体に直面しても大きく振り乱されない自分でいられるように。 いつでも自分の足元の見えないマットを引き直すのが大切と感じたスークでの体験。 ですが。 みなさんがスークに来た時には必ず数店のお店をチェックすることを忘れずにね! (つづく)
ドバイ在住ヨガインストラクターアラブの文化に触れた日の話。
ドバイのスークで大切なのは会話
考え方一つで変わってみえる目の前の世界
郷に入れば郷に従えができない時もある!
家族の転勤に伴い、ドバイにて生活を始める。
人口の9割は外国人、今やNYよりもインターナショナルと言われるドバ
イでヨガを通して現地の様々な宗教、慣習に触れている。
日常生活に密着したクラス展開により、日本ではTrue nature軽井沢や朝
食フェス、Dressヨガ部などのイベント出演、オフィスヨガやコラム掲載
も多く担当。
郷に入れば郷に従えができない時もある!|溝畑諒子のヨガライフinドバイ(3)
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