2.メメントモリ死を思うこと|ミッチ アルボム「モリー先生との火曜日」 3. あるミニマリストの物語|ジョシュア・フィールズ・ミルバーン「僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで」 4.ヨガを通じてなりたい自分になる|服部みれい「わたしらしく働く!」 5. 仕事術としてのセルフケア|松浦弥太郎「松浦弥太郎の仕事術」 6.ありふれた日常に目を見張る力|高山 なおみ「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」 7.生命力を高める知識(アーユルヴェーダ)の実践|服部みれい「私が輝くオージャスの秘密」 8.「教えるということは学ぶということ」| ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 きこ書房 9.「結果にとらわれない潔い態度を育む」|ダン・ハリス「10%HAPPIER」 10.「心を潤す小さな集まりについて」|ネイサン・ウィリアムス「The Kinfolk Table」
しまった状態に、私は上手く慣れることができない。ふと、容子に
て、われに返り、『そうか、君はいないのか』となおも容子に話し
/城山 三郎 作家
読書の秋となりましたね。今年の秋は「愛」をテーマに「カップリ
ションシップ」について考えてみたいと思い立ち、いくつかの本の
さんという作家の「そうか、君はもういないのか」というエッセイ
れまでこの作家の名前も知らず、作品を読んだこともありませんで
城山さんの他の作品は骨太な男性が主人公。経済小説や歴史小説な
品で、おおよそ僕の好みではない作風だと思っていたのです。ただ
はいないのか」という書籍のタイトルを見た時に何とも言えない切
あげてきて、最愛の人を失う喪失感とはいったいどんなものなのだ
に取ってみました。
ヒンドゥー教を背景とする伝統的なヨガの教えでは出家しないので
を持ち、共に家庭を築くことが美徳とされています。他者を信頼し
んでいくことは、出家して修行にいそしむことと同じく尊いことで
いるのかもしれません。一人の人間が他者と出会い、肉体を離れる
むということは神秘的ですらあると感じます。
この本は数多くの作品を残してきた作家、城山さんが先立たれた最
から別れまでを綴った彼の最後の作品でもあります。城山さんとパ
んの出会いはまるで映画のよう。作家を志す城山さんが図書館に出
ろ、図書館は休館日。同じく図書館の前で休館であることに肩を落
んをみそめ会話がはじまり二人は一瞬で恋に落ちてしまいます。し
お父様からの反対があり二人は離れ離れになってしまいます。そし
のダンスホールで運命的な再会をはたし再び恋に落ち、ほどなくし
のです。城山さんが26歳そして容子さんが22歳の時でした。
運命の人とは本当にいるのでしょうか?
この二人のロマンティックな愛の物語はまぎれもなくノンフィクシ
の人はいると思わずにはいられません。
城山さん達カップルが出会った時代とは違い現在は沢山の情報に触
すね。人と人とのつながりもインターネットやSNSを通じ、過去
があります。多くの機会に恵まれる一方で、城山さん達のようなド
い出を共有する人に巡り合える人は一体どれくらいいるのでしょう
多くの人がSNSのカップリングアプリでカタログから商品を選ぶ
るなか、人は感覚器官を駆使して選択を繰り返し行っているのだと
一般的に男性は視覚判断のできる情報、つまり外見を元に、女性は
される条件、つまり相手の持っているスペックでパートナーを選ぶ
思われます。それは本能とも言えるかもしれないし、僕たちの原始
ログラムされていることなのかもしれません。また男性であれば動
利便性であったり、女性であれば子供を持つという願望であったり
的な側面が強いように感じてしまいます。しかし、前時代的な男性
ジェンダーが曖昧になっている現代では、男性も女性もヨガで重要
促されているように思います。よって理想的なカップリングにはお
ではなく個々の価値観の合意やその人自
身の在り方が重要であると思います。
城山さんは結婚当初には大学での講師の仕事と作家としての活動を
た。その後、作家ひとすじで生きていくようになり容子さんがそれ
していきます。城山さんが作家として仕事に専念し多くの作品を世
たのは容子さんの存在なくしては成し遂げられなかったのではない
た二人の間には女の子と男の子の二人の子供に恵まれました。家族
で二人の子供達は、立派に成人し親元を離れていきましたが、その
族がかたい絆で結ばれていたことが本文や娘さんのあとがきからも
生において一つの段落が落ち着いたことを城山さんはこの様に述べ
「人生の一区切りがあって、夫婦二人になるという気分は、良くも
の。しかし、いつか二人きりでいることにも慣れてしまえるが、や
やってくる。」
余生を二人で楽しむことに慣れ始めた矢先に容子さんの病が発覚し
子さんが肉体を離れるまでの間献身的に看病をする城山さん。この
さんと共に歩んだ幸せな日々の思いでが語られ二人の深い絆や愛が
一人の人を最後まで愛する事の尊さが僕の胸を打ちました。
ヨガでは人生を経験する場であると考え、僕達の身体や五感、そし
為のツールとして使いこなす必要があり、今世とは自分の魂が意図
味わうためにあるのだと教えます。城山さんが多くの作品を創作し
彼の魂が意図したことです。そして、それを容子さんが常に内需の
女の魂の計画であるのだと思います。城山さんの魂によりそうよう
の容子さんの魂の存在があったからこそ彼のインスピレーションの
づけたのでしょう。そして、その奇跡は、容子さんの死後をも続き
る容子さんの肉体はこの世を去りましたが、彼女の魂は城山さんの
ることが出来たのです。
魂が意図した経験を十分に味わう為には強い身体と心が必要です。
ちの身体が整い、心がオープンでいる為に、アーサナやプラナヤー
践を続けていきます。時に試練に挑むということが必要な場面も沢
その時に僕の魂に寄り添ってくれるもう一つの魂があるのなら今世
勇気をもって取り組むことができ、この旅の終わりには深い満足が
りません。
1. 魂を満たす、小さな暮らし方 |ドミニック・ローホー「屋根ひとつ お茶一杯 魂を満たす小さな暮らし方」 2.メメントモリ死を思うこと|ミッチ アルボム「モリー先生との火曜日」 3. あるミニマリストの物語|ジョシュア・フィールズ・ミルバーン「僕が余分なものを捨て人生を取り戻すまで」 4.ヨガを通じてなりたい自分になる|服部みれい「わたしらしく働く!」 5. 仕事術としてのセルフケア|松浦弥太郎「松浦弥太郎の仕事術」 6.ありふれた日常に目を見張る力|高山 なおみ「帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。」 7.生命力を高める知識(アーユルヴェーダ)の実践|服部みれい「私が輝くオージャスの秘密」 8.「教えるということは学ぶということ」| ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室 きこ書房 9.「結果にとらわれない潔い態度を育む」|ダン・ハリス「10%HAPPIER」 10.「心を潤す小さな集まりについて」|ネイサン・ウィリアムス「The Kinfolk Table」

ファーストシップトータルヨガスクール・ディレクター。ヨガ指導者養成、Yamuna(R)認定プラクティショナーとして幅広く活動。アライメントを重視し、呼吸に重きを置いたフロースタイルのハタヨガを得意とする。E-RYT500。